使徒言行録 8章4-25節
高松教会 村上貴志
「占いや呪術を行ってはならない」これは、旧約聖書のレビ記19章26節に記されている言葉です。
占い・呪術(魔術)・霊媒・口寄せ。初代教会の時代。
そのような神さまの御業から離れた事をしている人がおりました。
魔術師のシモンです。
彼は、恐らく簡単な科学実験を行い人を集め、その教えや何かを売っていたと思われます。
人々は驚き、シモンが行う業を見て「神の力だ」と、もてはやしました。
同じ時期、シモンは、金銀で不思議な事を譲り渡していたが、弟子たちは、
「使徒3:6」神さまと離れた人を、主の十字架の御業によって取り次ぐ働きをしたのです。
魔術師シモンも、「自分もそれに与ったという喜び」を告白し洗礼を受けます。
しかし、ペトロ・ヨハネの宣教の業に出会うと、それに心を惹かれてしまいます。
「人々の上に手を置いた」按手礼を行った。語るべき力の継承を見て。
シモンは、この力を、「買いたい」と、願います。
教師としての資格を売って欲しいと願ったのです。
この事を伝えられたペトロとヨハネは、シモンを叱責します。
「主の御業とは、何の関わりも無い」と。
「以前の歩みと同じだ!心が神の前に正しく無い」(詩編78:34の「主の御業を見ても罪を犯し続ける人の姿」)
しかし、5章のアナニアたちのように、大きな報いが宣言される事は、有りませんでした。
二人は、「悔い改めるように。主に祈れ」と、勧めたのです。
そして、「一緒に祈る」と、語るのです。
「罪の状況から救い出されるために、イエスさまは、十字架に架かられ死にて甦られた」
ペトロたちの語る福音とは、この事です。
シモンの信仰は、取り戻されます。
試みに、打ち勝ったのです。
一人では無く、兄弟姉妹と共に祈り合う祈りの力によって、人は、主の前に立つ相応しい者とされるのです。
地上の思いでは無く、主の道に立ちかえるのです。