マタイよる福音書6章25-34節
高松教会 村上有子
「何よりもまず」英語で、「But First」です。
「○○ファースト」という言葉を聞くようになりました。ある介護施設で「入所者ファースト」という理念がかかげられていたことを思い出しました。人は、大切なことが分かっていながら、自分本位にことを進めてしまう自己中心的な心を持っています。自分を大切にすることは、良いことです。しかし、だからといって自分中心に生きて良いと聖書は語っていません。大切なことはたくさんありますが、なにより第一にすべきことがある、とイエス様は教えているようです。
この箇所は山上の説教の中で語られた教えです。イエス様の周りには、いろいろなものを求めて人々が集まっていました。ある者は、癒しを。ある者は、食べ物を。ある者は、ローマ帝国に支配されたイスラエルを解放してくれる王を。彼らにイエス様は語ります。「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。」と。神の国とは、神様を王とする国、すなわち、神様の支配下にある場所。神様に主権があり、神様に従っていく領域であります。神の義は、神様との正しい関係に入ること。神様の正しさに到達できる人はいません。神様に似たものとされるためには、神様との正しい関係にある、神様のうちにとどまることが求められるのです。神様は、私たちに必要なこと、ものを全てご存知です。それらを備えて下さっています。何も持つなと言うことでは有りません。必要な物は有るのです。
イエス様は、言われます。「神様First!」すると、加えられて与えられる。この世界を造られたのは、神様なのですから。もし、「神様First!」できなくなったら、空の鳥を見ましょう。または、足元を見て、踏まれてもしっかり花を咲かせている野の花を見ましょう。「神様First!」が分かってくるかも。