イエスさまは私たちを解放する祈りとして「主の祈り」を教えてくださいました。「天におられるわたしたちの父よ、御名が崇められますように。御国が来ますように。」私たちは、まず神の国が来るようにと祈ります。この世の論理や、権力から押し付けられる価値観、多種多様なイデオロギーなど一切から解放され御国が来ますようにと祈ります。「御心が行われますように、天におけるように地の上にも。」自分自身が得をしたい、上手くやりたい、誰かを出し抜きたい、そういった気持ちよりも神の御心が一番に優先されるように。私たちは利己心や虚栄心から解放されるのです。 「わたしたちに必要な糧を今日与えてください。」イエスさまは「わたしに」ではなく「わたしたちに」必要な糧を与えてくださいと祈るようにと言われます。私たちは自分だけで食べ物を独占したい、誰かの必要なモノを奪いたいという感情から解放され、隣人と共に食事をし、隣人と共に生きる者へと変えられるのです。「わたしたちの負い目を赦してください、わたしたちも自分に負い目のある人を、赦しましたように。」 イエスさまは言われます。「人を裁くな。」「復讐してはならない。」イエスさまは、私たちを怒りや憎しみの連鎖から解放されるのです。
「わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から救ってください。」そして、私たちを罪へと駆り立てるあらゆる悪いものから守ってくださるようにと祈るように教えられるのです。
ある本にこうありました「祈りとは、語ることではなく、神からの語りかけを聴くことです」主の祈りを通して、私たちはイエスさまからの語りかけを聴くのです。コロナ禍によって私たちは分断されてしまいましたが、この祈りを通して、共に祈り合えるよう願います。