使徒言行録 18章1-17節
高松教会 村上貴志
1月の最終日曜日は、「世界ハンセン病の日」です。フランスのラウル・フォレが、若い修道士が「祈りの日」と言っているのを聞いて、1954年に制定されました。聖書における「らい病・重い皮膚病・ツァーラート・レプラ」の表現。そして、行われてきた律法における差別・偏見。この事を覚え、「共に祈りを献げる」私たちも、信仰の歴史・伝統を覚え、祝福のみを喜ぶのではなく、この世に生み出された痛みを、共有し、悔い改めの思いを抱き、共に祈りたいと願うのです。 パウロの一つの肩書として「天幕職人」というものがあります。イエスさまは、「大工・家具職人」であったと言われています。椅子やテーブルを作る。 いきなり完成品が出来るわけでは有りません。小さな部品や大きな部品を組み立てて接合し、形となるのです。そのような事を思うと、イエスさまの伝道も、そうで有ったような気もするのです。 「天の御国は…」完成の姿を、伝えます。 「心の貧しい者は、幸いである」様々なパーツを集められます。そして、聖霊の働きを通して、それを組み合わせられます。主を模範とする「神さまの前の一人の信仰者」が、そこに生み出されるのです。 パウロも、そのような働きを模したのかも知れません。パウロの生い立ち(裕福・貴族的)を思うと、 細かい部品を作って組み立てる職人では無く、もっと、大きな働き。材料の手配や部材の加工管理、品質チェックなどの、管理者・プロデューサー・親方としての手腕を持っていたのかも知れません。そのような事を、想像すると、パウロが、地中海沿岸に教会を次々に打ち立てて行った事も納得できます。 パウロは、世に、教会を打ち立てる、職人とされたのだと思うのです。時に、頑固に偏屈に激しく。 その力が、福音の前進に繋がります。