高松教会 村上有子 マタイによる福音書3:1~12 「悔い改めなさい」この声を皆さんは、どのように受け取られますか?これは、洗礼者ヨハネが人々に叫んでいる言葉です。洗礼者ヨハネの詳細は、ルカによる福音書に記されています。敬虔な両親のもと、待望の子として誕生します。この幼子に対して、父ザカリアは予言しています。洗礼者ヨハネは幼子の時から「いと高き方の預言者と呼ばれ、主に先立って行き、その道を整え、主の民に罪の赦しによる救いを知らせる者」と預言され、ヨハネによる福音書にあっては「光について証しする者」として、非常に重要な召しを神さまから託されていることが分かります。彼は荒れ野で叫びます。「悔い改めよ。天の国が近づいた」と。しかし、この声は、洗礼者ヨハネを通して語られた神の声なのです。ルカによる福音書3章2節に「神のことばが荒れ野でザカリアの子ヨハネに降った」とありますから。 聖書の「悔い改める」という言葉に「反省しなさい」という意味はありません。元々の意味は、「帰る、引き返す、戻す、回復する、立ち返る、心の向きを変更する」という意味です。この福音書はユダヤ人マタイが、ユダヤ人に向けて書いた書です。ユダヤ人の間違った選民思想、旧約律法に自分たちに都合の良い慣習を張り巡らせて、自分は神の律法を全うしていると自負するユダヤ人たちに、正しい道を指し示すために、洗礼者ヨハネは激しい言葉で、彼らを叱責します。「蝮の子らよ…」と。これは、神さまの憐れみなのです。間違った道を行く者に、注意喚起しないことほど、愛のない行為はありません。「悔い改めなさい。神であられるお方がこられるのですから!」と叫ぶヨハネですが、現代の私たちには「悔い改めなさい。わたしは、ここにいるのですよ!わたしを見なさい!わたしに聞きなさい!わたしにとどまりなさい!」とイエスさまご自身が御霊にあって叫んでおられるのではないでしょうか。主に立ち返りましょう。
2020
27Dec