高松教会 村上貴志 使徒言行録28章11~16節 パウロたちの船は、秋の季節風に邪魔されて、11月の終り頃に難破して、マルタ島に漂着しました。風が変わるまで。この待ち続ける時期に、パウロは、福音を宣べ伝えました。「冬を越す」伝えるのに良い状況・季節でした。教会の暦を思い出して下さい。この時期には、どのような事があるのか?そう、クリスマスです。イエス・キリストの誕生。希望の光が人々に与えられる季節であります。パウロが乗員たちに、キリストによる救いの希望を日々語る毎に、周りの状況は、良くなっていく。聞く人たちは、この希望を聞くだけでなく、身体で感じる事によって、十二分に受け取っていったのです。しっかり冬を越した2月上旬。パウロたちは、船出するのです。 船は順調に進みます。シラクサ。間もなくイタリア半島。でも船を留め、もう一度パウロの話をしっかりと聞く機会を持ちます。十分に伝えた後、船を降ります。プテリオに、神さまの事を知る人たちが住んでいたからです。 ?でも、そんな事が、認められるのでしょうか? 急がなくても良かったのでしょうか? 「聞きたかった!!」同行者がパウロの語る福音に捕らえられた。いえ、イエスさまに神さまに、捕らえられたのです。戦さではなく、「神の愛による平和・キリストの愛」本当の平和が、与えられた。 「キリストの十字架による贖いの業によって、…。神さまに繋げていただく事によって、イエスさまと共に歩みを進める事によって、真の平安が訪れる」 兵士たちの職務。本当の希望・平和。それをパウロの語る救いの御業に見出したのです。 希望に満ちた一行の歩み。最早、裁判の為の護送では無く、ローマへの勝利の凱旋。レスピーギの「ローマの松」の荘厳な響きのように、主の福音は、大きく分厚く空間を支配するのです。
2020
18Oct